ワークショップ: きっと、会うたことのない、誰かのため(に)シーズン1
Date: ワークショップ 2016.10.8~10 展示・プロジェクション 2016.10.15~16
Venue: ウイング・ウイング高岡 / 大野屋
シネマティック・アーキテクチャ東京が富山県高岡市に赴いた、プロジェクト前半をワークショップ、後半に展示というプログラム。ワークショップは、高岡が描かれた作品(映画・文学・アニメ・マンガなど)を、高岡内外の人々の唯一の拠り所(インターフェース)として介在させ、皆で解釈し、語り合い、都市ビジョンを見出すという試み。
「高岡・イリュージョン」と題された展示は、ワークショップ作品にまちの印象を加えたものをインスタレーションとして三次元的に組上げる方法とし、アサンブラージュをブリコラージュ的に構成。富山出身の美術家・瀧口修造のデカルコマニーの要素も加えた。
テーマの“高岡・イリュージョン”とは、時の流れを感じさせる風化した素材感、パルプ工場の煙突の白い煙、映画の数々の幻影の場所、木崎さと子の小説『楼門』に登場するゴースト、『鶴のいた庭』で堀田善衛がかつて見た高岡伏木湾の蜃気楼、数年前まで駅前に存在していたスペイン人建築家ミラーレスの巨大なオブジェ、また、古くは茶人・高山右近設計による幻の高岡城など、このまちをめぐる “幻影”がワークショップの段階から共通項としてごく自然に現れ出て来たことによるものだ。
さらに “イリュージョン”は、地元の方々の協力を得て老舗旅館のファサードへの、言葉やイメージが飛び交うプロジェクションという一過的な都市イベントへとして具現化され、また、ワークショップから展示、プロジェクションにいたる模様は、地元紙・北日本新聞にも取り上げられた。
*ワークショップのタイトル「きっと、会うたことのない、誰かのため(に)」は、高岡が舞台となった木崎さと子の芥川賞受賞作『青桐』(1985年)より。